(side春風)

“満奈ちゃんが倒れました”

流川社長から電話があったのは、10分ほど前だった。

その日の占いは12位だったし、足の小指をたんすに何度もぶつけた。

嫌な事がありそうだな・・・。

その予感が、運がいいのか悪いのか。

当たってしまったんだ。





双葉と2人、急いで病院に向かう。

「満奈っ・・・満奈っ・・・」

双葉はひたすら娘の名を呼んでた。

“仁菜っ・・・”
“嫌あぁぁぁ!”

1度、娘を失ってしまった母親。

あの時の恐怖が蘇って来てるんだな・・・。

俺はそんな双葉の背中を擦ってやった。

「大丈夫だから」

そんな言葉をかけながら。

病室に着くと、急いでドアを開けた。

―――ガラッ

すると、そこには、

「桜井さん・・・」

流川千歳さんと。





静かに眠っている、満奈がいた―――。





「満奈?満奈・・・」

そんな娘の元に双葉が駆け寄り、頬に手をやった。

「ストレスから来る軽い胃炎だそうです」

流川さんが俺にそう伝えてくれた。

原因を聞き、俺は耳を疑った。

ストレス・・・?

満奈は、倒れるほどそれを溜めこんでたって事か?

だとしたら、ストレスは一体どこから?

訳が分からなかった。