それから1時間後。
あたしはとある公園に来た。
すると、
「・・・こんにちは」
萌香ちゃんが、既にいた。
高1とは思えないくらい、大人びた容姿。
確かに、麻子さんとそっくり。
「話って何?」
あたしはそう言った。
今日は夕方から大事な用事があるんだよね。
だから、手短にしてくれるとありがたいなぁ・・・。
そんなあたしの気持ちを察したのか。
萌香ちゃんは、
「電話でも言ったでしょ。隼斗先輩の事よ」
少しイライラしたようにそう答えた。
やっぱりかぁ。
「私、隼斗先輩が好きなの」
元カノに向かって、ストレートに言った。
・・・そんなの、分かってたよ。
でも、いざ真っ直ぐに言われると、
―――ドクンッ
心臓が締め付けられたように、苦しくなる。
「あんたはどうなの?」
腕を組み、あたしを睨む萌香ちゃん。
怖い・・・。
まるで般若だよ、その顔は。
“あんたはどうなの?”
そんなの・・・決まってるよ。
あたしの答えは―――。
“大好き。愛してる”
その二言。
・・・でもね。
それを言ってしまったら、あたしも隼斗も幸せになれないんだ。
だから・・・ごめんね。
「嫌いだよ」
あたし、嘘ついた。
ホントは、大好きで仕方ないんだよ。