(side満奈)

それは、突然の事だった。

日曜日の午後。

―――♪~♪~

部屋で読書していたら、ケータイが鳴った。

電話だ。

誰だろう?

ケータイを手に取り、ディスプレイを確認する。

するとそこには、知らない番号が表示されていた。

・・・誰っ!?

いたずら電話かな?

気持ち悪い・・・。

あたしは出るのを躊躇った。

・・・だけど。

まるで、何かに操られるかのように。

気がつけばあたしは、通話ボタンを押していた―――。

「もしもし?」

問いかけると、

『・・・貴方が桜井満奈?』

少し機嫌の悪そうな、女の子の声が聞こえた。

「そうですけど・・・」
『よかったらこの後会えない?話があるんだけど』
「あの・・・貴方は誰ですか?」

訳が分からなかった。

知らない番号からの電話で、名前も名乗らない人が。

あたしに“この後会えない?”なんて・・・。

誰なの?

『私?私は華園萌香』

電話の向こうの彼女はそう言った。

華園・・・萌香?

って確か、如月高校1年生の?

隼斗を狙ってて、美人で有名で?

麻子さんの娘で、MARIAの妹の?

あの華園萌香?

「何の用ですか?」

なんだか、胸騒ぎがする。

まさか・・・。

―――隼斗の事じゃ、ないよね・・・?

だけど、そんな願いも虚しく。





『隼斗先輩の事でちょっとね』




彼女ははっきりと言った。