俺は疲れていたのだろうか。
シャワーを浴びた後、すぐにベットで寝てしまった。
そして―――。
「隼斗っ・・・」
どこかから、俺を呼ぶ声がした。
その声は、愛しい人のモノで―――。
俺は辺りを見回した。
すると、俺の後ろに。
―――ウェディングドレスを着た、満奈がいた。
「満奈っ!」
「隼斗・・・」
俺は満奈の元に駆け寄った。
腕を引き、彼女を抱き締める。
ドレスの事はお構いなしに。
「すげぇ会いたかった・・・」
「隼斗・・・」
さっきから満奈は、俺の名前しか呼ばない。
でも今は、それだけで十分だった。
「何でそんなの着てんだ?」
俺は疑問を口にした。
すると、満奈は―――。
俺の胸板を両手で押し、
「離してっ・・・」
小さな声で、そう言った。
「はっ・・・!?」
びっくりする俺。
拒否られた事が、凄く悲しかった。
でも、それ以上に―――。
「あたし、柳さんと婚約するから」
その言葉が深く、胸に突き刺さった。