隼斗に会いたい。
アイドルをやりたい。
でも―――。
お父さん、お母さんを捨てられるわけがない。
「・・・うん!」
2人に笑って返事をし、自室へと向かった。
・・・我慢しなきゃ。
家族のために。
会社のために。
我慢しなきゃいけない。
辛いけど、乗り越えなきゃ。
―――バフッ
まだ制服姿なのにもかかわらず、ベットにダイブした。
枕に顔を埋める。
・・・これでよかったんだよ。
お父さんもお母さんも笑ってくれる。
それでいいの。
あたしが頑張った分、2人の笑顔が見れる。
それでいいんだ。
自分に何度も言い聞かせる。
仰向けの態勢になる。
すると、目に入って来たのは。
―――壁に貼られた、1枚のポスター。
もちろん、SuperStarのモノで・・・。
笑顔で笑ってる“SuperStarの流川隼斗”が、そこにいた。
ダメ・・・。
やっぱり、会いたいよ・・・。
我慢しなきゃいけないのは分かってるよ。
・・・それでも、時間が経てば経つほど。
隼斗への想いが、増していく―――。
あたしって、諦めの悪い女だな・・・。
部屋で1人、ははっと笑った。