寮につき、太陽と一緒に車を降りた。
「ばいばーい!」
「あっ、あぁ・・・」
曖昧な言葉で、アイツと別れた。
足取りが重い。
“おかえり、隼斗”
あの笑顔が待っているなら、こんな事はないのに。
ふらふらと歩き、ようやく605号室に着いた。
鍵穴に鍵を指す。
鍵を開けたら、
―――ガチャッ
ドアを開け、部屋に入った。
・・・いや、正確には“入ろうとした”。
そこで、俺の思考回路は一時停止。
「えっ・・・」
だって・・・。
だってそこには、
「おかえり、隼斗」
ずっと会いたくて。
抱き締めたくて。
キスしたくて。
愛おしくて仕方ない、
―――満奈が、部屋にいた。
「ま・・・な・・・」
10日ぶりに見た彼女。
少し痩せたか?
言いたい事はたくさんあるのに、
“帰って来てくれた”
それだけでもう嬉し過ぎて、言葉が出なかった。
「はっ、隼斗!?」
気づいたら俺は、満奈を抱き締めていた。
この感じ・・・。
マジで最高だ。