(side隼斗)

満奈がいなくなってから、10日が経った。

もう満奈不足で限界なんだけど・・・!

お前、今どこにいるんだよ?

電話やメールも拒否されて。

・・・俺、嫌われた?

なんて考えてしまう。

そのおかげで、仕事にも身が入らず。

終了時間を超える事が多くなってしまった。

少しだけ期待しながら寮に帰っても、それは“無駄”で片づいてしまう。

玄関を開けても。

キス出来ない、抱き締められない。

当たり前にやってきた事が、今は当たり前じゃない。

風呂も、シングルベットでさえ。

やけに広く感じ、寂しさを覚えてしまう。

あぁ・・・。

やっぱり俺、満奈の事が大好きなんだ。

そう思うと、思わず頬が緩む。

「はーやっとくんっ♪」
「へっ!?」

我に帰った。

俺を呼んだのは太陽だった。

あっ、そうか。

今は、仕事帰りだったんだ。

俺と太陽は、マネージャーの車に乗っていた。

「どうした?ボーっとして」
「何でもねぇ」

太陽にまで心配かけてる。

今の俺は・・・本当の俺じゃないのかもしれねぇな。

まるで、抜け殻のようだ。

満奈がいないと。

隣に置いておかないと。

不安で仕方ない。

俺が俺でなくなってしまいそうだ。

満奈っ・・・。

早く帰って来いよ・・・。