「じゃあね~」
「うん、また明日ね」
エレベーター内で真琴と別れ、6階に向かった。
時計を確認する。
11時かぁ・・・。
隼斗、起きてるかな?
まだあの言葉を伝えてない。
起きてるといいな。
でも、明日は仕事のはず。
寝ないと、明日に響くからなぁ・・・。
期待と不安が交錯する中、あたしは605号室の鍵を開け部屋に入った。
玄関には灯りがついていた。
でも、他の部屋は真っ暗。
「ただいまぁ~」
小声でそう言っても、気配なし。
靴はあるから・・・寝てるかな?
ちょっと寂しかった。
確か隼斗は、去年も寝てたよね。
あの時はソファだったけど。
やっぱり疲れてるんだろうね。
隼斗の部屋の前を静かに通り過ぎた。
あたしの部屋に入る。
着替えもしないまま、ベットに座った。
もう・・・2年が経ったのか・・・。
Rainbowになってから、月日が流れるのはあっという間に感じる。
それ程楽しくて、充実してるのかな。
立ち上がり、着替えを持って部屋を出た。
その瞬間。
「おかえり、満奈」
後ろから、あたしを呼ぶ声がした。
「ただいま、隼斗。起こしちゃった?」
その正体はもちろん、隼斗。
少し癖のついた髪。
可愛いんだけどっ!
「ずっと起きてた。満奈がいねぇと安心して寝れない」
ギュッと抱き締められる。
暖かい・・・。
凄く安心する。
「ねぇ、隼斗」
「ん?」
あたしが呼びかけると、首を少し傾ける。
この時の、優しい顔が大好きなの。