入学式が終わり、自分のクラスに戻った。

「ホント腹立つわね~」

千咲がぷんぷん怒りながら席に座った。

ちなみにあたしは、千咲の後ろの席なんだ。

「満奈の方が断然可愛いし!」
「いやいやいやいや・・・」

両手で断固否定するあたし。

あたし可愛くないもん。

萌香ちゃんの方が可愛いよ・・・。

でも・・・。

隼斗だけは取られたくない。

あたしの最愛の人だけは、絶対に譲りたくない。

「満奈ってホントに無自覚だよね」
「何が?」

千咲の話について行けない。

まぁ、いっか。

窓の外を眺めた。

もう3年生か・・・。

隼斗と出会ってから、もう2年が経ったんだ。

ホントにあっという間だな。

なんて、ぼんやり考えていた。

その時だった。

―――――ガラッ

教室のドアが開き、担任の先生が入って来た。

・・・また若王子なんですっ!

何気にいい先生なんだよね~。

「よし、じゃあみんな。これから、これを書いてもらう」

そう言い、若王子が配ったモノ。

それは・・・。

「お前どうすんの?」
「俺は大学」
「私は芸能界続けるよ~」

進路調査書。

「ねぇ、満奈はどうすんの?」

千咲が、あたしを見てそう聞いた。

・・・そんなの、決まってるじゃん。

「Rainbow、続けるよ」

そしてあたしは第1志望のところに、

“アイドル”

と書いた。