「満奈ちゃん!サインください!」
「ずるいぞ、俺も!」
「私にもちょうだい!」

卒業式が終わり、校庭で最後のお別れ。

あたしの前には、何故かたくさんの先輩方がいる。

そして、卒アルとペンを差し出された。

「あのー、あたしなんかのサインでいいんですか?」

恐る恐る聞いてみる。

すると、

「俺は、満奈ちゃんのサインが欲しいんだよ」

と言われた。

へへっ・・・。

なんか嬉しい。

卒アルに、さらさらっとサインを書き込む。

それを、何度も繰り返していた時だった。

「満奈~っ!」

聞き覚えのある声が、あたしを呼んだ。

「あっ、ちぃちゃんにキッズ!」
「「「きゃーっ!」」」

私服の2人が、あたしの元へ来た。

「どうしたの?こんな所に来て」
「決まってるじゃん。華歩のお祝いよ」

ちぃちゃんが説明してくれた。

ってか、私服めっさおしゃれなんですけど!

「華歩~」
「キッズ!・・・とマコちゃん」
「なんで私の時は悲しそうな顔すんのよ~」
「きゃーっ!Rainbow5人揃ったぁ!」
「写真撮ってもいいですか!?」

あたし達Rainbowを囲む、たくさんの卒業生。

―――――パシャッ

―――――パシャッ

デジカメやケータイのフラッシュが眩しい。

「じゃあ5人並ぼっか!」

あたし達は、華歩を中心にして並んだ。

再び聞こえるシャッター音。

心地よかった。

来年も、こんな風になるんだろうな。

そうなったら嬉しいね。

この日、たくさんの人がこの学校から去っていった。

そして、新しい人生を歩み始めた。