隼斗が床に座る。

胡坐をかいたその上に、あたしが股を開いて座らされた。

これ・・・恥ずかしいんだけど。

―――――ギュッ

「隼斗・・・?」

優しく抱き締められる。

「ごめんな・・・。俺がいたのに守ってやれなくて」

耳もとで聞こえる、悔しそうな隼斗の声。

切なくて、胸が苦しくなった。

「隼斗のせいじゃないよ・・・。あたしの注意不足だよ」
「ホントにごめん・・・」

否定しても、隼斗はただただあたしに謝るばかり。

「アイツに何かされたか?」
「えっと・・・耳たぶと首筋を舐められた」

そう言うと、隼斗の顔がピキッと固まった。

「許せねぇ・・・!」

後ろに炎が見えるんですけど・・・。

気のせいですかね?

「じゃあ消毒しなきゃな」

何故かそう言う隼斗は嬉しそうで。

―――――ペロッ

「きゃっ!」

あたしの耳たぶを舐めた。

「こら。先生に見つかるだろ?」

甘い声でそう囁かれたら、もうダメ。

隼斗のセクシーボイスには毎回勝てません。

「ひゃぁっ・・・」

さっきと同じように舐められてるのに。

さっきよりも全然気持ちいい。

くすぐったい。

「まゆ毛下がってる。可愛い・・・」

耳にかかる隼斗の吐息に、クラクラしてしまう。

首筋の消毒が終わると、唇にキスされた。

「はい終わり」

そう言われて、あたしは隼斗と視線を合わせた。

「目ぇ真っ赤・・・」

涙の後にもキス。

・・・おなか減ったなぁ。

あたしはのんびりと、そんな事を考えてた。