何で・・・柚香が?

何で・・・居場所が分かった?

「隼斗を呼んでる・・・。玄関に行って」
「あっ・・・、あぁ」

不安になりながらも、俺は立ち上がった。

でも何故か、それは阻止された。

「隼斗・・・」

満奈が、俺のジャージの裾を握っていたからだ。

ガタガタと震えている満奈。

・・・だよな。

やっぱり怖いよな・・・。

俺だって傍にいてやりたい。

でも、満奈を守りたいから・・・。

俺はアイツと決着をつける。

「ちょっと待っててな?姉貴・・・頼む」

満奈の頭を撫でて、優しく微笑んだ。

―――――チュッ

1度だけ軽いキスを落としてから、俺は満奈と離れた。

「行こう」

姉貴が満奈を立ち上がらせ、自分の部屋へと連れて行った。

それを確認してから、俺は玄関に向かった。

玄関には、母さんと・・・柚香がいた。

「あっ、隼斗!」

柚香はニコニコしながら俺に手を振る。

それとは対照的に、母さんが不安げな目で俺を見つめていた。

「・・・しといて」

俺は母さんに耳打ちである事を告げてから、リビングに行かせた。

そして。

「どうした?こんな時間に」

柚香に話しかけた。

そしたら。

「どうしても隼斗に会いたくて来ちゃった♡」

と、甘ったるい声が帰って来た。

・・・嘘つけ。

「何でここだと分かった?」

出来るだけコイツを挑発させないように、自分を抑えながら言う。

ホントは、殴りたいぐらいなんだけどな。