(side隼斗)

あの日を境に、アイツ・・・柚香からよくメールが来るようになった。

“早く桜井満奈と離れて”

“私の元に帰って来て”

・・・何でお前の自己中に振り回されなきゃいけねぇんだ。

少しは俺の気持ちも考えろっつーの!

俺には満奈がいるしな。

柚香・・・マジでムカつく。

しかも・・・満奈を殺すって何だ?

俺に振られたんだから潔く諦めろし。

・・・なんて、頭は柚香の事でいっぱいになりながら。

今日も満奈を抱いた。

「んぁっ・・・隼斗・・・」

最近は歯止めがきかず、ついつい満奈を強く求めてしまう。

それほど不安なんだと、自分でも気づいてた。

満奈に無理させてる事だって分かってる。

俺の自己中心的な考え方で、満奈を無理させて・・・。

ごめんな、ホントに・・・。

「やっ・・・もうダメ・・・」

満奈が快楽の頂点へ行っても、マジで止められない。

何でだ?

柚香の“殺す”の一言が不安か?

・・・不安なのは満奈の方だ。

俺は何やってんだよ・・・。

自分に腹が立って仕方ない。

「隼斗・・・これ以上は・・・あっ」

俺が満奈を守るしかないんだろうが。

俺が不安になってどうする。

・・・そうだ。

俺が―――――。

コイツを守るしかないんだ。

いつの間にか寝てしまった満奈。

短い髪を、優しく撫でた。

ホントにごめんな。

やっぱり俺は、まだまだ子供なんだな。

そう痛感した、10月1日の夜の出来事。