・・・せっかく満奈とイチャイチャしようとしたのに。

―――――♪~♪~

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さっきから、俺のケータイが鳴りっぱなし・・・。

おまけに満奈のケータイまで!

メンバーやら友達やら知らない奴やら・・・。

「そうなの。うん、じゃあね」
「あぁ、マジだから。じゃあな」

それも、内容は決まって一緒で・・・。

“2人って付きあってるの?”

はぁ・・・。

暇人共め。

暇だったら仕事とか勉強してろっ!

空気読めよ・・・。

なんて、心の中で思ってみるけど。

俺の願いは届かなかった。

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また鳴る俺のケータイ。

満奈は懸命にメールを打ってた。

いいよな、女は・・・。

メールで話す事が出来るから。

男は主に電話だな。

メールなんて、1か月に片手で数えれるくらいしか使ってね―し。

「そうだよ!じゃあ、そう言う事で」

だんだんイライラしてきた。

満奈が隣にいるのに、コイツのせいで手が出せない。

何なんだいったい・・・!

イライラがピークに達しかけていた、その時だった。

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また俺のケータイが鳴った。

今日だけでこの着メロを何回聞いただろうか・・・?

“Days”のサビを聞きながら、ディスプレイに目をやった。

「・・・はっ!?」

思わず声を上げた。

ディスプレイに光る文字は・・・。



“椎名柚香”



その名前に、通話ボタンを押すのを躊躇った。