「あれは嘘なんですね?」
「キスの件については?」
「ファンに一言!」

記者達からの質問の嵐。

「はい、嘘です」

それに対し、あたしはひとつひとつ答えていった。

「キスに関しては、はっきり言わせていただきますと“された”んです。それを誰かに撮られてしまったのだと思います」

半信半疑の顔を見せる記者達。

事実だっつーのっ!

「ファンの皆様には大変迷惑をかけてしまったと思っています。しかし、彼と付き合っているからと言って仕事に支障を来たすようなことはしません。これからも桜井満奈をよろしくお願いします」

ペコっと頭を下げた。

「僕も同じです。これからも芸能活動は続けて行くつもりですので、どうかよろしくお願いします」

隼斗もあたしと同じく、頭を下げた。

ざわめいている記者達。

やっぱ、明日の新聞1面に載るだろうな・・・。

「じゃあ、Yukaと海老名春輝とのニュースは嘘なのか」
「明日1番のニュースだ!」

ほら・・・。

これほど美味しい話はないよね。

「では、以上で会見を終了いたします」

司会者さんのその一言で、会見は終わった。



「はふぅ~・・・」
「吞気だな」

あたしの気の抜けた声を聞いて、鼻で笑った隼斗。

何とか、会見終了・・・!

とりあえず、一段落つきました。

・・・のは、まずいいんだけどっ!

やっぱり控室は2人きりで・・・。

「満奈」

隼斗に名を呼ばれれば。

―――――チュッ

優しいキスが降ってくる。

隼斗も吞気だよっ!

「お疲れさん。後は明日次第だな」
「うん・・・」

その言葉を聞いて、あたしは思わず俯いた。

隼斗やSuperStarのファンから何か言われるかな・・・?

言われるよね?

「んなしけた面すんな」

すると、隼斗があたしの顎を人差し指で持ちあげた。

「大丈夫だ。俺が守ってやっから」
「隼斗・・・」

そんな甘い台詞を言う隼斗はあまりにももカッコ良すぎて。

クラクラしてしまいそうだった。