（side満奈）

次の日。

今日の会見の支度をするため、早起きしたあたしと隼斗。

今は朝食を作ってます。

隼斗はテレビを見てる。

昨日の夜・・・隼斗はいつもより優しくあたしを抱いた。

まるで、昨日の出来事を消してくれるかのように・・・。

そんな隼斗の気遣いが嬉しかった。

―――――ジューッ

香ばしい匂いが、台所中に広がった。

｢はぁっ！？｣

突然、隼斗の素っ頓狂な声が聞こえた。

｢どうしたの！？｣

あたしはフライパンから目を離さずに、隼斗に聞いた。

でも返事は返ってこなかった。

｢ねぇってばー｣

―――――ジューッ

この音で、よく聞こえない。

あたしはよぉーく耳を澄ましてみた。

『・・んと・・・なさ・・・つあい・・・』

んと？

なさ？

つあい？

何のこっちゃ。

内容がよく分かんない。

隼斗に聞いても何にも答えてくれないし・・・。

まぁ、いいか。

特に気にしないで、フライパンを動かし続けた。

その時。

「満奈・・・」

台所に、顔が青ざめた隼斗が立っていた。

「なっ、何？」

そんなに深刻なの！？

あたしはごくりと唾を呑んだ。



「今、テレビで・・・満奈と海老名春輝が熱愛って・・・」



「えっ！？」

あたしが・・・。

春輝くんと？

熱愛！？