「・・・と、・・・やと・・・、隼斗!」

遠くで俺を呼ぶ声が聞こえた。

「んっ・・・」

目を開いた。

するとそこには、大好きな満奈の顔があった。

「満奈・・・」
「もうっ、こんな所で寝てたら風邪ひくよ?」

寝てた?

「俺・・・寝てた?」
「うん。寝顔可愛かったよ?」
「・・・10万円でーす」
「冗談はやめてね?」

俺・・・いつ寝たんだ?

全く記憶にねぇ・・・。

いつの間にか俺は、ソファで寝てたらしい・・・。

頭を掻く。

その時に、ハッと思いだした。

「満奈・・・今何時?」
「22時だよ」

よかった・・・。

まだ誕生日終わってない。

おしゃれな格好をした満奈をひょいと抱きあげ、俺の膝にのせた。

「寝癖・・・可愛い♪」
「うるせー・・・」

俺の髪を触る満奈にキスを落とす。

「誕生日・・・おめでとう」

そして、満奈に嬉しい言葉を言ってもらった。

「サンキュッ。満奈もデビュー1周年おめでとう」
「ありがとうございま~す」

ははーっ、とお辞儀する満奈。

可愛すぎる・・・。

「ちゃんとお母様にお礼言うんだよ?」
「は!?何でだよ」
「だって、隼斗を生んでくれたんだよ。感謝しなきゃ。それに・・・」

そこまで言うと、満奈は急にもじもじし始めた。

何だ・・・?

「隼斗が生まれてきてくれなきゃ・・・あたしたち出会えなかったしね。あたしも感謝したいよ」

極上の笑顔で笑う満奈に感心した。

コイツ、すげーな。

そこまでちゃんと考えるんだから。

「そうだな」

そう言って、もう1度キス。

「じゃあ俺も、お前のご両親に感謝する」
「ふふっ・・・。後1年待ちますね?」
「何を?」
「ここ~♪」

満奈は嬉しそうに自分の左手の薬指を指差した。

そうか・・・。

俺も後1年で結婚出来る年なのか。

満奈はもう出来るけど。

「おう。一生手放せないモノをやるから」

俺がそう言ったら、満奈からキスしてくれた。

幸せだ。