「・・・と、・・・やと、・・・隼斗っ!」
「えっ・・・、あっ。すみません・・・」
「どうした?お前らしくないけど」
仕事中も、つい満奈の事を考えちまう・・・。
距離を置く、なんて言ったけど。
満奈に触れたくて仕方ない。
あの後、相葉とはどうなったんだ!?
アイツの事だから、「満奈~、俺と付き合って?」とかって言いそうだけど・・・。
そんな事を想像すると、腹が立ってくる。
俺はどうすればよかったんだろう・・・。
「隼斗」
雑誌の撮影の休憩中。
准がコーラを持って俺の元にやって来た。
「ずーっとボーっとしてて・・・。何かあったか?」
そう言って、俺の隣に座った。
少し離れた所では、太陽と蛍と愛地が犬のようにじゃれ合っている。
そんな光景がなんか、微笑ましく思えた。
「・・・大事な人を、信じてやれなかったんです。それで、凄く後悔してて・・・」
さすがに彼女とは言えねぇよ。
でも危うく口を滑らせるところだった・・・。
「そうか。・・・で、その大事な人って彼女か?」
「へっ?ちっ、違いますよ!」
びっくりした。
コイツはエスパーかよ・・・。
「ふーん」
何だよ、その疑ってるような目!
「じゃあ誰だよ?」
准の奴・・・!
完全に楽しんでやがる。
クールなのに、こういうところが人気あるんだろうなぁ・・・。
まぁ、№1はこの俺様だけど。
こうなったら・・・。
奥の手だ!
「准くん・・・。そんなに根掘り葉掘り聞かれたら俺、泣いちゃう・・・」
「はっ!?ちょっ、やめろよ隼斗・・・。気持ち悪っ」
必殺・“可愛い子”作戦。
見事に効いたようだ。
・・・ホントに気持ち悪い。