お風呂から上がって隼斗とリビングに戻る。

「あっ、満奈~。長風呂だったねぇ」
「あはっ、まぁ・・・ね」

ドアを開けると、テレビゲームをしてた玲央があたしの元に寄って来た。

その途端、ピキッと隼斗の表情が固まる。

「ちょっ・・・玲央!?」
「うーん、満奈は髪が長くても似合うと思うなぁ♪」

玲央があたしの濡れてる髪に触れた。

ゾクっとする。

どっ・・・どうすればいいの!?

「やっ・・・」

玲央の手が、耳に触れる。

―――――パシンッ

その時、乾いた音が部屋中に響き渡る。

「俺の満奈に触るんじゃねぇ」
「痛~い。俺、暴力反対~」

手をぶらぶらと振る玲央。

怖~い。

「満奈、部屋行くぞ」
「えぇ~。じゃあ俺も・・・」
「お前は来んな」

2人でリビングを出て、あたしの部屋に入った。

―――――バタンッ

乱暴に閉められるドア。

「はぁ・・・マジムカつく」

隼斗は一言だけ呟いて、あたしを引き寄せた。

そしてそのまま、隼斗の腕の中に閉じ込められる。

「満奈ももうちょい用心しろよ・・・」
「ごめん・・・」

隼斗はあたしの濡れた髪にキスをした。

それも、玲央が触れた所に・・・。

「ホントにお前、気をつけろよ?いつ何されるかわかんねぇから」

それだけ言って、隼斗はあたしを椅子に座らせる。

ドライヤーを手にして、髪を乾かしてくれた。

「俺は短い方が好きだな・・・」
「どうして?」
「爽やかな感じがするから」

そうなんだぁ・・・。

男の子って髪長い方が好きだと思ってたから、なんか意外。

「寝るぞ。・・・今日は何もしねぇから」
「当たり前だよ・・・」

隼斗の髪も乾かしてあげて、ベットに2人で寝っ転がる。

自分のベットで寝るの、久しぶりだなぁ・・・。

狭いシングルベット。

隼斗に抱きしめられながら、夢の中に堕ちていった。