(side満奈)

「ねぇ、俺は満奈と寝たいなぁ」
「バーカ。お前は俺の部屋使え。俺は満奈の部屋に行く」
「じゃあ満奈は?」
「俺と一緒に決まってる」
「えぇ~」

悲しそうな顔をした玲央。

ホントに空気読めないよね・・・。

隼斗はせっせと自分の荷物をあたしの部屋に移動してる。

結局・・・。

玲央の押しに負けて、彼はあたし達の部屋に住むことになりました・・・。

未巳華先輩1人にしていいのかな?

「満奈~。晩御飯は?」
「いっ、今から作るよ・・・」
「わぁ~い♪楽しみだなぁ」

いくら幼なじみでも、なんだか接しにくい。

笑顔が引きつる・・・。

そんなあたしとは対照に、玲央は無邪気に喜んでる。

玲央は小さい時から天然で空気読めなかったから・・・。

今更直せないよね?

だって空気読めたら普通、カレカノの部屋に潜り込んでこないよね!?

「おい相葉。お前いつまでここにいるつもりだ?星原未巳華って奴がお前の事待ってるぞ?」
「満奈を彼女にするまで~。っていうか、流川くんがその先輩の所に行けばいいんじゃない?」
「はぁっ!?」

また2人で話し合ってる。

俺様と天然対決・・・!

隼斗・・・血管見える・・・。

怖~い・・・。

会話の内容を聞きながらあたしは必死に包丁を動かした。

「そしたら俺は満奈と2人きりでイチャイチャするもん♪ねぇ~、満奈」
「えっ!?」

あたしに話を振らないでぇ~っ!

「あっ、あたしは・・・隼斗と一緒にいたいよ・・・」
「えぇ~。・・・でもまぁいいや!そのうち“玲央がいい”って言うから~」

なんてポジティブなんだ、玲央は!

そのふわふわした口調につられそうになる。

それを頑張って堪えた。

玲央って、こんなに執念深かったっけ?

そんなにあたしと付き合いたいの?

「ふ~んふ~ん♪」

1人で吞気に鼻歌歌ってるし・・・。

いつまでこんなのが続くの!?