「ただいま~」
17時を少し過ぎた頃、満奈が帰って来た。
「おっ、おかえり」
俺は玄関で出迎える。
右手にプレゼントを持って。
「あのさ・・・満奈」
「何?」
「これ・・・ホワイトデーの」
俺はおずおずとプレゼントを差し出した。
「わぁ・・・嬉しい!開けてもいい?」
「どうぞ」
満奈は箱の蓋を開ける。
「・・・可愛い!ありがとう隼斗!」
パアッと笑顔になった満奈。
そのまま俺に抱きついてきた。
よかった・・・。
気に入ってくれて。
俺があげたモノ。
それは、ハートの飾りがついたマグネットピアス。
満奈は耳に穴開けてないからな。
俺もだけど。
「なんかあたしのプレゼントさ・・・しょぼいよね」
満奈が急に暗い顔をした。
「バーカ。俺にとっては何よりも最高なプレゼントだっつーの」
って言うか、めちゃくちゃ嬉しかったし。
だって、クッキーの形が星からハートに変わったんだぜ?
たったそれだけかもしれないけど、俺は超舞い上がってたし。
―――――チュッ
おでこに軽いキスをした。
「それに・・・いつも満奈が隣にいてくれればそれだけで最高だし」
「隼斗・・・」
・・・。
ヤべぇ!
言ってから恥ずかしくなってきた!
手で口元を覆い、満奈から顔を背けた。
だけど、
―――――グイッ
満奈に引っ張られ、
―――――チュッ
キスされた。
「あんまりあたしを舞い上がらせるような事、言わないでよね?」
そう言う満奈が可愛い。
愛おしくて。
「お前もな」
もう1度、唇同士を重ね合わせた。