階段を上がりきって、あたしはピンクの家具やたくさんの服で囲まれた部屋に案内された。
美鈴の部屋かな?
「今日、私と一緒に寝ても大丈夫?隼斗がいい?」
「えっ、いや・・・美鈴と一緒がいいっ!」
隼斗と一緒に寝たら、何されるか分かんないし!
お父様やお母様に聞かれたらあたし、このピンキーリング捨てちゃうかも・・・。
“結婚しないもん”・・・なんてね。
「ふふっ、必死ねぇ。毎日シてるの?」
「みっ・・・美鈴!」
何でモデルってこんなにエロいんですか!?
「ごめんごめん。満奈が可愛くって、つい・・・」
「もう・・・。あたし可愛くないし」
「あら。自分の顔と身体の良さを自覚してないアイドルなんて初めて見たわ」
・・・ふんっ!
別にいいんだも~ん。
―――――ガチャ
不意に、部屋のドアが開いた。
「満奈、ちょっと来い」
「あんたさぁ・・・、ノックぐらいしなさいよ!」
―――――コンコン
「した」
「あ~っ!ムカつく弟ね!」
隙間から顔を覗かせたのは隼斗。
なんか可愛いんだけど。
それにしても、仲いいなぁ。
なんて考えてたら、隼斗に腕を引っ張られた。
「満奈連れてくから」
「ダメ。何するつもりよ!?」
「ん~、イチャイチャするつもり」
「んなっ!?」
大胆な・・・。
やめてよ~・・・。
「もっとダメ。満奈は私とイチャイチャするんだから」
美鈴まで!
・・・美鈴とイチャイチャって、何するんだろう?
って言うか、さっきの玄関での争いの続きですか?
「・・・ちきしょう。最後の手段だ」
なっ・・・何?
「仕方ないわね。この馬鹿弟め」
何が始まるの!?
美鈴、若干口調変わってますけど!?
2人は大きく息を吸って、右手を後ろに引いた。