(side満奈)

―――――ドキドキ

―――――ドキドキ

・・・えぇ~い!

うるさいよ心臓!

「満奈、何してんの?」
「へっ、あっ。・・・別に何でもないよ~」

平静を装った。

でも緊張しないわけにはいかないよ・・・。

だって・・・、だって・・・。

「着いた」

ドッキーンッ!

心臓が跳ね上がった。

だって、隼斗の実家に行くんだから。

やっぱ第一印象は大事だっていうけどね?

あっ、でもドラマで見てるかな?

隼斗もお姉さんである美鈴もいたしなぁ・・・。

しかも、お母様はあの如月財閥の社長さんだしぃ・・・。

怖い人かな?

とにかく、不安で胸がいっぱいだよ~っ!

「ここ俺ん家」

そう言われて、家を見上げた。

第一印象。

デカい。

大きいですこの家、ハイ。

洋風っぽい造りで、とにかく大きい。

「すっごーい・・・」
「そうか?お前ん家はこれよりもデカいんじゃねぇの?」
「ほよ!?いやいやいや・・・。普通の一軒家です」
「ふーん。とりあえず入るか」

いやぁ~。

隼斗、あたしの気持ちを察してよ~・・・。

そんな心の声も届かず、隼斗はズンズン中に入ってった。

・・・よしっ!

あたし頑張ろう。

アイドルでも、いろいろやれるんだから!

「待ってよ、隼斗!」
「じゃあ、ん」

差し出された手を握った。

何よりも、隼斗はあたしの事、愛してくれてるからね。

きっと大丈夫だよ・・・。

右手の薬指を、じっと見つめてた。