「あははははっ・・・・・・」
不意に、キッズの笑い声が止んだ。
そして、その直後に聞こえて来たのは。
「悔しい・・・!何で私達が・・・」
小さく呟く、悲痛な叫びだった。
「キッズ・・・」
「RainbowがSweetLoveになんかしたの?どうして№1を取られたからってあんな目に遭わなきゃいけないの?」
キッズは、下を向いて唇を噛んだ。
・・・そうだよ。
キッズの言うとおりだよ。
何も悪い事してない。
シングルだって、売上をSweetLoveよりも上回っただけ。
・・・SuperStarもだけど。
それもたったの1回だよ?
その1回が、あんな事件を起こすんだから・・・。
人間って怖い。
あの集団が何を考えてるのか分からない。
これから何をされるのかと思うと、不安でたまらない。
「絆。聞いて」
ちぃちゃんが、キッズの包帯を巻いていない手を握った。
「この先、何があるか分からない。・・・でもね、私達は前に進んでいかなきゃいけないの」
魔法みたいな優しくて、ゆっくりした言葉。
「だからさ、5人で乗り越えていこうよ。転んでも、躓いても、また立ちあがって歩いて行こうよ。きっとみんな・・・分かってくれるはずだから」
「・・・ちひろ・・・」
温かな空気が広がったような気がした。
「私ね・・・、Rainbowって名前、凄く好き」
華歩が話し出した。
「Rainbowって虹でしょ?虹は、雨があがったら空に架かる。だから私達は、みんなが落ち込んだ時に光を差し伸べる虹だと思うんだ」
その言葉が、ジーンと心に響いた。
「そうだね」
真琴が涙ぐみながら言う。
「明日から、笑顔でいようね!」
気合をかけるようなちぃちゃんの一言。
・・・もう、何があったって。
絶対に逃げないから。
絶対に負けないから。