また麻衣ちゃんの車に乗る。
「あっ、みんな。絆が寮に帰って来たそうよ」
「ホント!?お見舞いしなきゃ・・・」
リーダーとしての責任を感じてるのか、ちぃちゃんが始めにそう言った。
「みんなで行こ。なんか買ってさ」
「うん」
「そうだね」
「じゃあデパートでも寄りましょう」
5人でデパートに寄り、花やお菓子を買って寮に帰る。
そして。
―――――ピンポーン
キッズの部屋のチャイムを鳴らした。
「はーい」
パタパタパタ、と走ってくる音が聞こえた。
―――――ガチャ
ドアが開いて、中から出て来たのは見知らぬ人だった。
「あら、貴方達は・・・。初めまして、絆の母親です」
話によると、キッズは今までずっとお母さんと一緒にいたらしい。
「中に入って。・・・貴方達に会いたがってるの」
「「「「「お邪魔します」」」」」
順番にキッズの部屋に入った。
同室の子は学校みたい。
だから、中にはキッズのお母さんとキッズしかいなかった。
「・・・!ちひろ、華歩、満奈、真琴、麻衣ちゃん!」
「絆!・・・手は・・・」
ソファに座ってたキッズに、真っ先にちぃちゃんが駆け寄った。
キッズの笑顔はいつもと変わらない。
ただ・・・、手に巻かれた包帯が痛々しくて直視できない。
「大丈夫だよ。でも、しばらく安静にしてろって言われた」
あははっ、て笑うキッズ。
その乾いた様な笑い声がやけに大きく聞こえた。
ホントは悔しいはず。
なのに、笑ってられるキッズ。
貴方は強いね・・・。
あたしよりもずっと、ずっと・・・。