―――――ザワザワ・・・

「誰ですか?」

ファンの人達は少し静かになってしまった。

そのせいか、あの声がよく聞こえる。

「Rainbowなんて大したことないじゃん!コイツらのファンも目が腐ってるね~」
「言えてる~!キャハハ!!」

・・・あそこの席だ。

怖い目をした、玲華さんとアリアさんのいる場所から聞こえる。

「行こう、あの人たちの場所へ」

ちぃちゃんが低い声でそう言った。

あたし達5人はRainbowRoadを通って再び、バクステの近くまで来た。

ファンは騒がなかった。

たとえ、あたし達が近くにいても。

「貴方達、何故ここにいるんですか?」
「そんなの、Rainbowを潰すために決まってるじゃない!」

はぁ・・・。

「そんな目的のために、5000円も払ってくれてありがとうございますね?」

キッズが、挑発するように言う。

キレてる証拠だ・・・。

「別にぃ~?SweetLoveが№1アイドルになるためなら何でもするし。ねぇみんな?」

1人が大声を上げると、その集団は何かを上にあげた。

それは・・・。

SweetLoveのメンバーのうちわだった。

SweetLove。

12人のメンバーで構成された、大手事務所の人気アイドルグループ。