でも、どこかが違った。

笑顔のない顔。

冷たい瞳。

こんなの・・・、俺の知ってる満奈じゃない。

「流川さん」

ふと、彼女が俺を呼んだ。

距離が開いたような呼び方で。

そして満奈は、冷たい瞳のままこう言った。





「-----別れよう。さようなら」





それだけ言って満奈は部屋を出ていった。

視界が真っ暗になる。

バタン、と乾いた音が部屋中に木霊した。

嘘・・・だろ?

俺・・・、こんなにも満奈が大好きなのに。

愛してたのに。

なのに満奈は・・・、俺から離れて行ってしまった。

心にぽっかりと穴が開いた。

涙なんか、悲し過ぎて出なかった。