それからしばらくの間、あたしは工藤さんの腕の中で泣き続けた。

そんなあたしを、工藤さんはよしよしと慰めてくれた。

「落ち着いた・・・?」
「はい。ありがとうございます」

お礼を言って、ニコッと笑った。

すると、何故か顔が赤くなってる工藤さん。

どうしたんだろ?

不思議に思ってると・・・。

「・・・んっ!!」

突然、唇を塞がれた。

隼斗とは違う、ミントの味・・・。

・・・嫌だ。

違和感を感じた。

離そうとした。

でも・・・、隼斗を忘れたくて・・・。

その思いの方が大きくて。

気づけばあたしは、工藤さんの首に腕を回してた。

「・・・満奈ちゃん」

唇が離れ、じっと見つめられた。

「俺さ、満奈ちゃんが好きなんだ。・・・だから、付き合ってくれる?」

隼斗とはまだ別れてない。

けど、それは近い将来の現実の事。

決めたんだ。

隼斗を、忘れるって。

「・・・はい」