「でもさ、俺が家庭の事聞き出す訳にもいかねぇじゃん?
やっぱり前田から話してきてくれるまで待つしかねぇの?」

「うーん。多分なぁ。さりげなく聞いてみるとかしかないだろ。
難しいとこだよなー」


もどかしい気持ちでいる俺に、和則は

「でもどうすんだよー。例えばの話、前田が旦那と別れるって言ったら、どーすんの?
幸成は、大学生だから養っていけねーじゃん?」


「わかんねえ。でも前田が俺を必要としてくれる時が来るなら、プロに行こうかな、大学辞めて。」


「ジェフか。スカウト来てんだったよな?」


「まぁ焦らなくていいと思ったから、蹴ったんだけどな。」


ジェフとは、地元のJリーグのチーム。

こないだスカウトされた。


今はまだありえない話だど、もしも前田が俺を必要としてくれる時がきたら、俺は迷わずプロに行く。

そしたら前田も優志も養ってやれるから。