なに浮かれてんだ俺…。


和則の話を聞いて、自分の愚かさに気づいた。


確かに、痣は見えなかったかもしれない。

幸せそうだったかもしれない。


だけど、そんなの全て見たわけじゃないから俺に分かるはずもない。


馬鹿だ、俺…。



「前田と、旦那の話しなかったのか?」


「…した。少しだけな。
休みの日は、家でゆっくりしたいからって、優志と遊ばねーんだって。
仕事頑張ってくれてるって言ってた。
でも、俺が聞いたのはそれだけ。」


和則は、難しい顔をしていた。


「なるほどな…。
でも、またねってことは平日ならまた会えるってことだろ?」



「多分。いつでも連絡してこいよって言ってあるしそれに俺も時…」

「幸成からは、絶対にメールや電話すんなよ!!」

話を遮って和則は言った。


「もしここで幸成が下手にメールして、旦那にばれたら、元も子もないだろ。
前田からの連絡を待つしかないんだよ。」