「着いた」


家に着いたのは夜の6時30分


「ありがと」


チャリの後ろから降りる


「じゃあ...また来年な」


「うん」


そうは言ってもお互い、その場から動かない


「何してんの?中入れよ。寒いんだろ?」


「竜哉だって...早く帰りなよ」


「...そうだな」


「...そうだよ」


2人でクスッと笑った


「じゃあ...帰るか」


「あたしも中入ろかな」


「梨佳、何かあれば絶対言えよ?」


「分かってるって」


あたしが言わなくても竜哉は気付いちゃうでしょ?


だからあたし、言えないんだよ


いっつも竜哉が先に気づくから


あたしも気付かないことに気付いちゃうから


「じゃあまた来年、メールするよ」


「うん、待ってる」


2人で微笑んで、家に帰った


「ただいまー」


「おかえり、梨佳。寒かったでしょ?」


「まあね」


家に帰るともう夕飯の準備がされている