「梨佳、そろそろ送るよ」
「もうそんな時間?」
外はもう暗い
やっぱ冬だから6時になると暗くなる
「行くぞ、梨佳」
「うん」
外に出ると昼間よりも寒い
「さむっ...」
首をすくめる
と、急に体に何かがかぶさった
「え?」
「それ、やるよ」
竜哉がいつも着ていたジャンバー
「え、でも竜哉寒いんじゃ...?」
「それ小さくなったから。梨佳ならピッタリだろ?」
ニッって子どものように笑う
「...うるさい」
遠慮なくジャンバーを着た
竜哉の香りがする
「...ムカつくけどあったかい...」
「だろ?俺がいつも着てたからあったかくて当たり前~」
関係ないと思うけど...?
「ほれ、後ろ乗れ」
「うん」
竜哉のチャリに乗った
「寒くねえ?」
「寒くないけど...竜哉が寒いでしょ?」
「俺は慣れてる。いつもサッカーやるときは寒いから」
竜哉はチャリをこぎ出した