「...あたし、家に帰るよ」


このまま竜哉の家でメールしてちゃ迷惑だろうし


「迷惑とか思ってねえからな」


「あいたっ」


竜哉があたしのオデコをデコピンした


なんで見透かされてんのよ...?


「でも...」


「今梨佳を1人にしたら不安だ、俺」


...ってお前かい


『ごめん。梨佳がそこまで傷つくなんて考えてなかった。俺、バカだな。嫌いになったろ?嫌いにならない方がおかしいよな...』


...輝、あたし、どうすればいいの?


この気持ちは何?


この感情を何処にぶつければいい?


あたし、何なの?


輝の彼女だよね?


...それとも浮気相手なの...?


メールを送らずに携帯の電源を落とした


もう...何も見たくないよ...


「メール、送らなくていいのか?」


「え?」


竜哉はジュースを飲みながらあたしに尋ねる


「...いいよ、もう」


もうどうでもいい


何をしても変わらないもん


結局あたしは...輝の何でもない


ただの『オモチャ』でしかない...