振り向くとそこには、音輝の弟が立っていた。

目元があいつにそっくりな弟…

「はい。そうです」

殴られるだろう、間違いなく。

凛とした眼光も、姉貴に似ている。

「会ってやってください…姉ちゃんに。」

震える弟の声に、驚いて視線をあげた。

「この薔薇の花…林さんのための花です。一番最後に、姉ちゃんの手に握らせてやってくれませんか」

それだけ言うと、弟は座り込んで子供のように声を上げて泣いた。