「雄二さん、焼香いいんですか?」

隣から、同僚の川崎が囁いた。

「行けるかよ」

一言そう呟いた。

川崎は気まずそうに席に着く。

俺の手元には、音輝の指輪がある。

最後に会った日、あいつは俺に指輪を握らせた。

『これで、どんな波が来ても大丈夫!!ゆうくんの事、守ってくれるからね』

満面の笑顔で。