人は時として、キャベツの男のような不安感に苛(さいな)まれることがある。

 何気ない人と人との繋がりが、そんな気持ちを癒してくれるのではないか、と私は思った。

 もしも一人だと思い込んでいる人や、孤独感があるのなら、尚更、普段から身の周りを良く見ないといけないのではないか、と。
 気付き辛いかも知れないが、きっと気に掛けてくれる人が必ず何処かにいる筈だ。

 私は街を歩きながら、改めてそう思ったのである。

―完―