彼は店に戻り、私は毎朝、キャベツの男から元気を貰っている。
 厳密には、彼はキャベツを切っている訳ではなく、店の奥で弁当の盛り付けを行っているのだが。

 街の通りから、実際に今、彼の姿を捉えることは出来ない。

 しかし、間違いなく彼は店の中に存在しているのだ。

 この件の後、私の中でも街並みを見る目が、明らかに変わった。