「本当は早くコレを、結婚指輪を渡すはずだったが中々渡せなかった」
何故だか分かるか?と拓斗さんに聞かれ頭を横に振る。
だって本当に分からないから。
「優子を見て気が変わった」
「わ、たしを見て?」
「あぁ。一緒に過ごしてる内にどんどん優子に惚れてく自分が居て、そしたらもっと良い物をと思ったから渡せなくなった」
‘惚れていく’そんな言葉に更に涙が溢れだす。
「で、特別に作らせた」
「えっ」
「これ俺がデザインしたやつ」
拓斗さんがデザインしたの?
この素敵な指輪を拓斗さんが…
「菫がこのブランドの店員で今回特別に融通無碍って形でやってみた。あぁ、それからだな。菫に相談に乗り始めたのは」