「どうしてくれる」

「ほらぁ!」





怒る部分いっぱいあるじゃないですか!と言わんばかりの私。


なにをしでかしてバシッと怒ってくれないのはそれはそれで悲しくて、なんだか失敗ばかりの私を拓斗さんが諦めた気がするし、私なんてどうでもいいって思われちゃったのかなと考えたりもしちゃう。





「まあ、仕方ないな。実はいうと予定では笑顔の優子に渡すはずだったが…」





どういう事?


拓斗さんの言ってる事って。





「料理失敗の責任のかわりに少し左手を俺に差し出してくれないか」

「左手ですか」

「あぁ、ついでに目を閉じろ。それで失敗は全て忘れ許してやる」





本当に…?


目を閉じて左手を差し出せば本当に本当に拓斗さんは許してくれるの??