「焦げ臭い…?」
「あぁ、何か焦げた臭いがする」
そんな臭いする?
私は鼻をクンクンさせてる前に自分の手元にくぎ付けになった。
私の手元にあるのは菜箸で。
菜箸、菜箸、菜箸…
「あ〜っ!」
ダッシュでキッチンに向かう。
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「ごめ、んなさ…っ」
ボタボタとテーブルに涙が落ちてく。
さっき、流した嬉し泣きから打って変わり今のは反省悲しみが混ざる悔し涙。
「もう気にするな。たまにミスするくらい当たり前だ」
「たまにじゃないです…!」
呆れ顔の拓斗さんに宥められかれこれ30分は経過してると思う。