玄関を出る時、片手を上げた拓斗さん。


その姿を見惚れた私は拓斗さんが出ていっても尚、立ち尽くしていた。


だって、素直に…





「格好いい…」





常に大人で拓斗さんが片手を上げヒラヒラさせる姿はいつもと違う素敵さがあって。


これまでそんなに意識していなかったのに急に意識して見てしまったというか、当たり前だけど拓斗さんは私とはとってもとっても違うんだなって。


まるで別世界の人のように。






{プルルルルプルルルル}





固定電話の呼び出し音が聞こえハッとした私は漸く動き出す。


ついボーッとしちゃってた…


固定電話のが鳴らなかったらまだボーッとしたままだったかもしれない。


まだまだ拓斗さんの事を考えながら。