HR終了の鐘が鳴る。



「菜緒ー、帰ろー」


椛が私を呼んだ。




「うんっ」




鞄を持ちながら、椛の元へ駆けて行く。

今日は教科書が特に多い日だから、
鞄が重い…




下駄箱には沢山の生徒がいて、込み合っていた。


「うー、これじゃなかなか帰れないじゃん」

「もう少し早く来れば良かったねえ」



そんなことを言いながら、
人に押し流されて、やっと自分の所へ着いた。



あー、やっと帰れる…





というわけにも何故かいかなかった。