「ふあー」


4月とはいえ、まだ肌寒い。
ポケットに手を入れ、学校へ向かう。



それにしても、黒河浬に双子がいたとは初めて知ったな。
イケメン兄弟とか…

そういや、昨日最後、黒河浬が何か言おうとしてた。



明日言うって…今日じゃん!


何だろ?
ま、いっか。


「五十嵐さん?」

「わっ。飛鳥くん!おはよう!」
びび、吃驚したっ。

「飛鳥でいいよ。おはよう」

「じゃ、じゃあ私も菜緒で…」
「うん」



そう言って見せた笑顔は、爽やかな好青年そのものだ。
モテるのも分かる…


「今日は黒河浬…くん一緒じゃないの?」

「ああ、なんか先に行くとか言ってね」

「へえ…」




「あいつが気になる?」

「え!?」
し、しまった裏返った…



「そ、そうじゃないんだけど」



「ああ、分かったよ。
 あいつが先に行った理由…」

「え?」




「いや、今日告白するんだよ。浬。」