魚は
どこへ行くにも

人魚のまわりから離れようとはしませんでした

ずっと
人魚の腕や顔にまとわりついていました

それは
繁殖の季節がやってきても同じことで

一度など
心配した人魚が、魚を捕まえて、もとの群れに置いてきたりもしたのですが

魚はすぐに
戻ってきて

相変わらず、人魚のまわりをうろつくのです