魚は群れをなしていました。

青いちいさな魚の群れ。
魚たちは、人魚のはるか上の方を通過していきました。

人魚はぼんやりと、その魚の群れを眺めています。

「なんだ、あいつ」

人魚は思わず呟きました。人魚の口からあぶくが、ひとつ、ふたつ零れていきます。

魚の群れの一番さいごに、あまり見てくれの良くない、ちいさな魚が、よろよろと必死にくっついて泳いでいるのを

人魚は見つけたのでした。