「うん、そのミス桜河よりも可愛い(笑)」



「まじかー…私もそろそろミス桜河を引退しなきゃいけないのか」




「だから、いつミス桜河になったんだよ(笑)」




………え?ちょ、待て。
転校生がミス桜河よりも可愛い?
いや、ミス桜河なんていないけれども…さっきの女子の会話で“すっっっごく美人さん”って言ってなかったかい?

なんか唯の言ってた転校生の第一条件クリアしてないか?


背中に嫌な視線を感じて、チロリと唯の方に顔を向けると…。




「ニヤニヤ」




「口で効果音を言うんじゃない」




「ふふ、これで私の考えも否定出来なくなったわね」




「…………そうだね…」




ハァと溜め息を一つついてから、私は窓の向こう側で晴天という言葉が思い描けるほどに澄み渡った空を見上げた。