「そうだな!それが一番肝心だよ!転校生なんてそんな珍しくもないのだよ!」




「……もしよ、転校生がアンタと正反対な人だったどうする?」




唯は窓越しに見える、校庭を眺めながら言った。

私と正反対な人って、容姿端麗で文武両道で非平凡が大好きな子…。
そんな子が転校生として来る……?




「……有り得ない」




「はい?」




先ほどまで校庭を眺めていた唯は顔をこちらに向けて、問い返した。




「そんな容姿端麗で文武両道で非平凡が大好きな子なんて来るわけないだろう?」




「そんなのわからないじゃない」




唯は少しムッとした表情をしながら、校庭へとまた顔の向きを戻した。

その場に微妙な気まずさか生まれたが、別に大したことではない。
時間が少し経ったら、微妙な気まずさは消えてしまうことを知っているからだ。