「別に不満なんてないわ。……あ、そういえば、今日転校生が来るらしいわよ」




自分の後ろの席に座る唯が、何か思い出した表情をしたかとおもいきや、すぐに表情を変え、少しニヤつきながら言った。




「……何故ニヤついている」




「だって、あんた普通が大好きな普通バカじゃん?転校生が来るってあんまり普通のことじゃないでしょ」




「なるほど…、だからニヤついていたわけか。相変わらず性格がひん曲がっている」




「アンタほどじゃないわよ。で、どう?普通じゃないことが起こる気分は?」




先ほどよりもニヤつきながら聞いてくる。



「残念だね、転校生が来ることくらい長い人生の中で一度くらいはあることだよ」




「ふーん、そう。…本当に残念ね」




心底残念そうな表情をする唯。

…私に何を期待していたのだろう…。




「まぁ、いいわよ。平和に一年間が過ごせれば」