「……はぁ、なんでもないわ」




「所で、何か用かい?」




「アタシとあんた、同じクラスだったから一緒に行こうかと思ったのよ」




「おお、また一緒のクラスか!これで二年連続だな」




「ま、クラス行きましょ」




私達は校舎の方へと足を向けた。

今日も普通な日々が過ごせますようにと、私は心の中でひっそりと願った。




「……ここね」




唯は足を止めた。
目の前には2年2組と書かれたプレートがぶら下がっている扉がある。


ここがこれから一年間使う教室か…。
そう思いながら教室の中へと入っていく。


教室の中にはチラホラと人がいた。
黒板には自分達の名前の隣に席の番号が書いてあった。




「あ、唯。私の後ろの席だ」




「え゛」




「……不満があるのかい?」




唯のあからさまな態度にムッとしながら、自分の席に座る。