鳴り響く床のきしむ音。
礼子の予想とは反し、中は静かなものだった……
「あれ? あれれ」
霊達が潜んで、脅かそうとする様子でもない。
本当に誰もいないのだ。
「墓場で運動……?」
また前と同じ安直な考えをした礼子だが、サキもいないしみんな巣立ったのかとも思った。
辺りを探って居ると、廊下の奥から一匹の霊がテテテテテと小走りしてきた。
「あ、ちょっとそこのアンタ。みんなはどこ行ったの?」
すると、小坊主風の10代半ばの霊はメンチを切ってきた。
「ああん? みんな出稼ぎに行ってるわ。何だお前は? サボってないでさっさと行きやがれ」
礼子を知らない者か?
妙に粋がっている。
「そっか~ありがとう僕★みんな出掛けてるんだね~」
礼子は笑顔で首を絞めた。
霊力を帯びた片手で易々持ち上げ、小坊主はブクブクと泡を吹く